遺産分割協議書作成のポイント

遺産分割協議書とは?

遺産分割協議書作成(捺印する女性)

 相続が開始した(=被相続人が死亡した)時点では、財産は相続人全員が共有している状態ですので、これを解消するために遺産分割協議を行い、それを書面にすることが必要です。
 → 「遺産分割協議の種類・方法」
 → 「遺産分割協議がまとまらない時は」 

 金融機関などの解約手続きをしようとする場合は、遺産分割協議書の提示が求められますので決まり事に従った協議書を準備しなくてはなりません。(金融機関や保険会社などは遺産分割協議書以外にも会社所定の書式に相続人全員が署名捺印を求められることが多いです。)
 
「金融機関の相続・解約」

 遺産分割協議書を作成するにあたり、法的には用紙の指定は特にありませんので、普通のコピー用紙等で十分です。最近は官公庁等もA4サイズを使用することが多いのでA4またはA3サイズを使うのが望ましいでしょう。

 なお、相続人の住所、氏名はワープロではなく自書するようにし、もし複数にまたがってしまう場合は各ページに相続人全員が割印をしましょう。

遺産分割協議書の一例

 遺産分割協議書の書き方には絶対これでなくてはならないという決まりはないものの、最低限下記の項目だけは記載されていなければなりません。

遺産分割協議(協議書と財産)

・被相続人(亡くなった人)の氏名と死亡日、
最後の本籍地
・相続人全員で遺産分割協議を行い、遺産分割の
決定がされた旨
・遺産の具体的内容とその遺産を取得する相続人の
名前
・日付
・相続人全員の住所、氏名、実印での押印

 また、不動産(法務局)、預貯金(各金融機関)など各手続先によってそれぞれ必要な要素がありますのでそこを外さないようにしなくてはなりません。法務局の手続用として「不動産だけを記載したもの」、金融機関の手続用として「預貯金だけを記載したもの」など別個に作成してもかまいません。

 遺産分割協議書は相続人が同意して実印を押印しなければならないため、一回で完全なものになるように注意深く作らなければなりません。
 万一、不備があり作成し直すことになると、もともと遺産分割の内容について快く思っていない相続人がいる場合は手続きに協力してくれないことも考えられます。
 もし記載方法に自信がない場合は最初から費用がかかっても法律専門家に依頼する方が結果的にはスムーズでトータルの費用が安く済むことが多いのです。

 では、一例として不動産、預貯金、現金が遺産としてあり、法定相続人が3人の例を挙げてみましょう。

遺産分割協議書

被相続人 山田太郎(平成25年2月1日死亡)
本籍地 熊本県熊本市〇〇町〇丁目〇番地
最後の住所 熊本県熊本市〇○区〇〇町〇丁目〇番〇号
登記簿上の住所  熊本県熊本市〇○区〇〇町〇丁目〇番〇号 

 上記被相続人の死亡により開始した相続につき、共同相続人山田花子、山田一郎、山田次郎の間で遺産分割協議を行い、結果、下記のとおり被相続人の遺産を分割することに決定した。

1.次の各不動産は、相続人山田花子が相続する。

  (1)土地
     所在 熊本市〇○区〇〇町〇丁目
     地番 〇番〇
     地目 宅地
     地積 〇〇〇.〇〇㎡

  (2)建物
      所在 熊本市〇○区〇〇町〇丁目〇番地
      家屋番号 〇番〇
      種類 居宅
      構造 木造スレートぶき2階建
      床面積 1階 〇〇.〇〇㎡ 2階  〇〇.〇〇㎡ 

2. 次の預金は、相続人山田一郎が相続する。

    〇〇銀行 〇〇支店 普通預金 口座番号 〇〇〇〇〇〇〇

3.次の現金は、相続人山田次郎が相続する。

    金〇〇万円

 本遺産分割協議の成立を証するため、本協議書3通を作成し各自1通を保有する。

平成25年〇月〇日

住所 熊本県熊本市〇○区〇〇町〇丁目〇番〇号
氏名 山田 花子  (実印)

住所 熊本県熊本市〇○区〇〇町〇丁目〇番〇号
氏名 山田 一郎  (実印)

住所 熊本県熊本市〇○区〇〇町〇丁目〇番〇号
氏名 山田 次郎  (実印)

※上記は一番基本的な記載方法ですが、各家庭の事情(使途不明金がある場合、寄与分や特別受益がある場合など)により記載方法は異なってきます。