相続人が行方不明

法定相続人の中に行方不明の人がいたら

遺産分割協議(相続人が音信不通)

 「音信不通の弟がいるのですがそれ以外の兄弟で遺産分割協議をしてもよいですか?」

 時々、受ける質問です。残念ながらこの場合に弟さんをはずすことはできず、
「色々な手を尽くして探し出す」か、
「客観的に行方不明な状況であれば不在者の財産管理人を選任してその人に代わって遺産分割協議に参加してもらう」
 のどちらかしかありません。

音信不通といっても
 ・生死不明の場合
 ・生きていることは明らかだが単に行方不明である
などの場合があります。

 生死不明ではあるものの失踪宣告(普通失踪で7年)の要件を満たしていない場合は、家庭裁判所に申し立てをして不在者の財産管理人という特殊な代理人を選任してもらうことが必要です。

 これが選ばれれば不在者の代理人として遺産分割をすることができますが、不在者の財産を処分する行為となりますので選任とは別に家庭裁判所の許可が必要です。

 もし不在者の財産管理人が不在者の代わりに遺産分割協議をする場合は不在者の利益を守らなければならないため、原則として「不在者の取り分としては、最低限法定相続分を確保しなくてはならない」点に注意しましょう。  → 法定相続分についてはこちら

不在者財産管理人はどうやって選ぶ?

遺産分割協議(裁判所の人)

 不在者の定義とはどのようなものでしょうか?
民法では
「従来の住所または居所を去って容易に帰来する見込みのない者」
とされていますが、
「不在者本人が管理人を置かなかった場合は」
一定の範囲の者から家庭裁判所に必要な処分をしてもらうよう請求することができます。

 通常、音信不通になった本人が自分のいない間の財産管理人を選んでおくことはあまり考えられません。
 ですから通常は家庭裁判所に財産管理人を選任してもらうための手続が必要になります。

不在者財産管理人選任申立の方法

申立人 利害関係人、検察官
※利害関係人とは?不在者の財産を管理する者がいないことについて法律上の利害関係がある者をいいます。
例・相続人、不在者の債権者 など
申立先 不在者の従来の住所地を管轄する家庭裁判所
手数料 収入印紙 800円
※その他関係者への通信用郵便切手が必要になるが各裁判所へ確認が必要
添付書類 申立人の戸籍謄本・住民票
不在者の戸籍謄本・住民票
候補者の戸籍謄本・住民票
管理財産に不動産がある場合は登記簿謄本
不在を証する資料
調査など 申立人と不在者の関係や不在となった経緯、不在者の財産状況などを家庭裁判所が調査します。また、家庭裁判所は不在者の戸籍付票や住民票などにより不在者の情報を収集しなければなりません。財産管理人が選任される場合、候補者がそのまま選任されることが実務上は多いと思われます。
不在者財産管理人選任方法